Beyond the everyday~日常の中に「非日常」を~



【concept】

「日常の中に『非日常』を」

外国の街中では、どこからか音楽が聞こえる。バイオリン、ピアノ、屋内問わずどこでも自由に演奏している。
そしてそれをいつものことのように、当然のように受け入れている人々。
そんな光景を見ながら気持ちよく歩いていると、あちらこちらに劇場が見えてくる。決して大きいとは言えない劇場もあるが、とにかく街中に点在しているのだ。
時間が空いた人々が普段着でふらっと当日券を買いに来ている。開演時間が迫っているチケットはディスカウントされることもあるため、手頃に買える。
会社帰りのサラリーマン、学生が何人かで和気あいあいと、そして小さい子どもが家族と一緒に、とにかく老若男女問わず様々な人が慣れた様子で劇場に入っていく。
彼らは「日常」的に、生の音楽や舞台を楽しんでいた。

一方、日本ではまだまだそのような様子を見ることができない。
文化庁の「文化に関する世論調査」(R4.3実施)では、この1年間に文化芸術イベントを直接鑑賞したことがあるか、
という質問に対して、生の音楽や舞台を見たと回答した人はいずれも1割に満たなかった。
コロナの影響もあるが、映画や美術などに比べると、まだまだ日本には舞台等のエンターテイメントの文化が浸透していないことがわかる。

日本人が舞台などのエンターテイメントに触れない一番の要因は、きっかけが無いということが大きい。
もともと関心があるにもかかわらず、施設が近くに無い等の物理的理由によって観ることができないのではなく、
施設が近くにないために、そもそも関心を持つきっかけが無いという状況であった。
他に、費用がかかりすぎること、敷居が高く観る方法や情報が入手できない、忙しく時間がなかなか取れないという理由が挙げられた。

直接的な因果関係があるかは不明だが、同調査内にて芸術に触れている人の方が生活への幸福度が高いという結果になった。
芸術に触れることは、気持ちを高め、ポジティブな生活を送れるきっかけになるのかもしれない。
エンターテイメントを身近に感じてもらい、外国で見たように生活の中に自然に取り入れられる場所を作りたい。

【place】

「大阪ステーションシティ 時空(とき)の広場」

アクセス:JR大阪駅構内 橋上駅屋上5F
開放時間:8:00~23:30

橋上駅の屋上に拡がるドームで覆われた広場。
鉄道の象徴である「時」を刻む「金時計・銀時計」を南北に配置されている。

JR大阪駅のホームの上に位置しており、駅から直結している。
屋外であるが、全面屋根で覆われているため、天候に左右されずイベント実施が可能。
LUCUA、LUCUA1100、大阪大丸に隣接しており、買い物の休憩や待ち合わせなどで利用する人が多い。
敷地面積が大きいため駅構内の中では比較的空いており、広々とした空間でゆったりと過ごせる。

ノースゲートビルディング2Fにあるアトリウム広場の大型ビジョンでは、真上に見える時空の広場でのイベントを中継している。

【target】

「日常を過ごしている人たち」

■ 通勤・通学途中の人(主にホームで電車を待っている人) ■ 待ち合わせをしている人 ■ 買い物をしに来た人 ■ 休憩に来た人

時空の広場で過ごしている人はもちろんだが、ホームで電車を待っている人たちも、上から聞こえてくる音楽で「非日常」を感じることが出来る。
朝の殺伐とした通勤・通学時間が、音楽の力で明るい気持ちになり、毎日の楽しみとなる。
また、ホームで聞こえた音楽に誘われて、会社や学校の帰りに時空の広場に立ち寄ってもらい、生の舞台を観に行くきっかけとして欲しい。

子ども連れの家族も多いため、幼いころからエンターテイメントに触れる機会を作ることで、日本のエンターテイメント業界を支える次世代の育成にも繋がる。

【contents】

①entrance
時空の広場へのエスカレーターを降りてすぐ目に入ってくるのは、煌びやかなエントランス。
広場のシンボルである時計台の横にあり、この空間に来た全ての人を歓迎してくれる。
豆電球のネオンは夜になると光り、より華やかな装いになる。

下の扉はゴールドの縁で囲われており、重厚感と贅沢な気持ちにさせてくれる。
どこか懐かしいレトロな雰囲気も漂う、ニューヨークのブロードウェイ・シアターの入口をイメージしてデザインを行った。

②theater
360度壁に囲まれているシアター空間の中でプロジェクションマッピングで各分野のエンターテイメントが投影されており、
劇場の客席で見ているかのような体験が出来る。

シアターの種類はCONCERT、MUSICAL、JAPANESEの3種類。時空の広場の開場時間内はいつでも観られる。
時間帯によって流れる映像が異なるため、何度でも楽しめるようになっている。
JAPANESEは日本国内で上演されている作品が流れるため、シアターで興味を持った舞台を実際に観に行くことが出来る。

③stage
広場の中央には、白いステージが建っている。1日に数回、短編ミュージカルやコンサート、ダンスショーなどが開催される。
事前にプログラムされている時間外に関しては誰でも自由にステージを使うことができ、プロ、アマ問わずエンターテイメントを発信できる。
舞台上にはストリートピアノも用意されており、自由に演奏ができる。

舞台デザインは演目を選ばないホワイトで統一されている。階段や柱、開閉扉を利用して舞台空間を大きく使うことができる。

④cafe terrace
併設されているcafe「DEL SOLE」のカフェテラスでは、ステージの作品をゆっくり観賞するのはもちろんだが、
周りの人たちと興味を持った舞台や作品に関して話したり情報の共有、交換をすることができる。
座席に置いてあるカードに自分が好きな作品などのワードを書いて机に立てておくことで、観劇仲間が増えるかもしれない。

特に、観劇には興味があるがどうしたら観られるのか解らない、という人が有識者に出会える場として使って欲しい。




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